「低線量の放射線健康影響ガイドブック」ドラフトの概要
はじめに:「低線量の放射線健康影響ガイドブック」の作成動機とねらい
・リスクの考え方
リスクの定義と歴史、
リスクの大きさを見積もる方法、不確実性、確率、化学毒性の評価方法との比較、
安全係数の決め方、事前警戒原則、
異なるリスクの相互比較の難しさ、
リスクの感じ方と判断の難しさ、
・放射線による身体影響
確定的影響と確率的影響、
DNA損傷と修復のメカニズム、
放射線のリスク、
原爆被爆者の生涯追跡調査(LSS)固形がん、白血病、甲状腺がん、他の健康リスク、
被爆二世の健康影響、胎内被爆者のがん発生率、身体的・精神的影響、不妊のリスク
・低線量とは?
自然放射線のレベル、確かな数値の定義はない、チェルノブイリ事故の教訓
・低線量の放射線健康影響
4つの仮説モデル、不確実性、診断X線やCT検査による発がんの新聞報道、精神的・
心理的影響
おわりに
リスクは「危害」と「便益」のトレードオフ、リスク社会における選択の自由
追補:参考図書としての解説書やQ&A集の紹介
参考文献:本文中の文献等の出所
勉強会
敦賀市民との勉強会で分かったこと・改訂点
・リスクの考え方:リスクの定義、概念、トレードオフ、確率、不確実性の理解が難しい
・放射線による身体影響:DNA損傷・修復メカニズム、過剰絶対リスクと過剰相対リスク
(EAR, ERR)、Sv、Bq、Gyなどの言葉が難しい
・低線量とは?:チェルノブイリ事故における精神的影響はよく分かった
・低線量の放射線健康影響:4つのモデル(LNTなど)、CT検査などの医療被曝の疫学調査
結果の理解が難しい。
・情報量が多いとかえって全体を理解できない
・「市民自身が得心できるもの」
「自分たちが他の人々へ説明に使えるもの」
「初心者には詳細すぎる内容の記述はいらない」
「ページ数の少ない初級編を作るのがよい」
「章節の順番を変えた方がよい」
などの意見集約がなされました。
ガイドブック(初級編)を制作